日本国の染色は中国からの仏教伝来と時期を同じくして、その歴史は飛鳥・白凰時代の天寿国繍帳に、奈良時代の東大寺正倉院御物の三纈に見られるように、古代から優れた染色品と技法に彩られてきました。
近世文化が爛熟期を迎える元禄時代に、京都東山の知恩院近くに居を構え扇面を描いていた宮崎友禅斎によって創始されたとされる京友禅は、日本の染色に写実的な文様美を開花させたと伝えられています。その後、明治に入り、型友禅技法の確立と共に、化学染料が導入されると、これまで一部の皇族などに限られていた色鮮やかな彩色は、より一般市民に身近な着物文化として花開いていきました。
中でも、大正デモクラシーの自由な気風に溢れた大正期は、生活様式の変化にも一層拍車がかかり、和洋折衷の軽快な明るい色彩が流行したものであった。流行色として、空色・薄曙・牡丹(大正3年)、ローズ・薄菊・新勝色(大正7年)、藤色・コバルト・紅桜(大正13年14年)など、明るい調子から原色調のものまで出現した。
今回の芸者染は、そんな大正ロマンの時代の芸者文化・着物文化を形作った京友禅染めの伝統技法を踏まえつつ、現代に再構成した染めの提案になります。
一般的なウール染めではほとんど使われなくなった高級酸性染料を用い、古来からの浸染技法で染めておりますので、機械染めにありがちな過度なダメージが少ない。また、従来から呉服売り場の中でのみ存在していたビビットな色味が特徴的であり、日本の晴れの文化を想起させています。
製品染め見本
注意事項
すべての染色に使われている材料は独自に研究開発したものになります。
大量生産、大量消費を前提としたブランド様のお仕事は請け負っておりません。
また、年間加工数量に制限を設けております。お取引条件等は、お問い合わせ下さい。